『すべてがお客様』

井出 教寛
(推薦者:堀内 正樹)

その日は2月でとても寒い遅番の日。
遅番のインカムから、
こんな出来事が飛び込んできました。

「お客様の車ですが、どこに停めたか 
 わからなくなってしまったみたいです」

メンバーが見つけたときは、

おじいちゃんが
女子トイレに入ろうとしているところを
見かけたため、
声をかけたそうです。

お客様のもとに向かうと、
その方は90代くらいの
年配のおじいちゃん。

困り果てた様子でした。
「本日はどんな車で 
 お越しになられたんですか?」

と伺うと、

「マツダの軽自動車」
と言うことがわかりました。

しかし、ナンバーも色もわかりません。

話の途中で
同じことを何回も繰り返したり、

矛盾を感じたりする方でした。

もしかしたら…、認知症なのかな?


それでもわずかな手がかりで
探すしかありません。


困っている人が
目の前にいるんですから。

すぐに見つかると思っていましたが、
いっこうに見つかりません。

一緒に探していたお客様は、
寒さのせいで、顔が赤くなっていて、

これ以上、外を歩くのは辛そうでしたので
レストコーナーでお待ちいただくことに。

「鍵を貸してください! 
車、見つけてきますから。
 ちょっとここで休んでてくださいね」

山口マネージャーは、
鍵を片手に立体駐車場の方へ、
井出リーダーは
平面駐車場の方へ探しに行きました。

1台1台、くまなく探しましたが、
見つかりません。

仕方なく、状況を伝えるため
お客様のもとへ向かいました。

しかし、ちょっと目を離した隙に、
お客様がいなくなってしまったんです。

慌てて店内を探したり、
カメラで確認したりして、
無事に見つけることができ、状況を報告。

黙ってしまうお客様。
もしかしたら、盗まれたのかも…。

もしかしたら、
お店以外の駐車場に停めているかも…。

そう思い、井出リーダーが
カメラチェックに向かいました。

一方、お客様を一人にするのは
心配だったので、
山口マネージャーは
付きっ切りで相手をされていました。

「やっぱり、車で来られてないです。
 ちょっと外の駐車場も見てきます」

井出リーダーは、近隣のコンビニや、
その他車が停められそうなところを
探しに行きました。

しかし、それでもまだ見つかりません。

同時並行でお客様から

連絡先を何とか聞き出そうとする、
山口マネージャー。

お客様の持ち物から、
連絡先と思われる番号を確認できたため、

すぐに電話をしました。

電話をしたご家族の方は、

「おじいちゃん、朝から出かけたまま
行方がわからなくなって、
 今捜索願を出そうと
 思っていたところだったんです。
 認知症なのに勝手に出て行っちゃって、
 困っていたんです。
 本当にありがとうございました」

後日、わかったことなんですが、

この方は、歩いて30分以上も遠くの
ご自宅から来られたそうです。

そして、トイレに寄ろうと思って
コンビニの看板を見て来店され、

そこでわからなくなったのではないか?
と言うことでした。

実際に遊技されるお客様だけではなく、
様々な目的で足を運ばれる
お客様もいます。

こんな地域の方々への対応が今、
見られています。

たとえ遊技をされない
地域の方々であっても、

相手からすれば、接したメンバーが
ニュー東京の顔。

お客様がお越しになったとき、
そのお店の印象は、
初めて対応したメンバーで決まる。

たった一人の発言が、
たった一人の行動が、
お店全体の印象を決めてしまう。

今回の出来事を振り返り、
本当にニュー東京の顔として
行動できているのか、
考える良い機会になりました。

もっともっと出来ることはあるんだと
実感しました。